(英語:Dies (Rheology))

「ダイ」とは、円筒形状に精密な機械加工が施され、その中心部に通常は放電加工技術により円筒形の穴(キャピラリー)が開けられている硬化スチール、あるいはタングステンカーバイドでできた固体の部品のことである。用語「キャピラリー(毛細管)」は、時には「ダイ」全体を表すために用いられる。腐食性のサンプルとともに用いる場合には、「ダイ」は、例えばステンレススチール(Starvax)あるいはニッケル合金(ハステロイ)のような材料で作ることができる。試験対象のサンプルは、このキャピラリーの中を通って流れ出る。レオロジー用の「ダイ」は、メルトフロー計器およびキャピラリーレオメーターで用いられる。「ダイ」は、さまざまな用途に合わせるため、またさまざまな規格の要求事項を満足するため、広範囲のさまざまな「寸法」で提供される。

「ダイ」は、キャピラリーの長さと直径、およびキャピラリーの入口形状を用いて記述される。「ダイ」は多くの場合、その「直径に対する長さの比」すなわち「L/D」、および入口角によって説明される。例えば、キャピラリー長が20 mmで直径が1 mm、また入口が90度に開いたコーンでできている場合には、この「ダイ」は、「キャピラリー直径1 mm、L/D=20、円錐形入口角90°」を有するダイとして記述される。平面状の入口は、180°に相当する。特殊「ダイ」としては、通常0.25 mmの範囲を有する非常に短いキャピラリーを機械加工することができる。この「ダイ」は「オリフィスダイ」あるいは「長さゼロのダイ」と呼ばれ、入口圧力降下を直接測定するために用いることができる。

メルトフロー試験用の標準ダイは、平面状の入口をもつ直径が2.095 mm、長さが8 mmのキャピラリーを有している。特殊な方法では、円錐形の入口を有する長いダイが要求される(PVCに関する試験用のASTM D3364)。

「キャピラリーレオメーター」用の「ダイ」は、直径が0.5 mm未満から2 mm以上、長さは「ゼロ」から最大40 mm以上の範囲を有している。入口形状は、通常は平面状か90°の円錐形である。

各種規格では、「バグレイ修正」用には同一のキャピラリー直径を有し、長さが異なる少なくとも2種類の「ダイ」を推奨しており、一方他の用途に関しては他の組合せを必要とする(例えば、Mooney壁面すべり評価に関しては同一のL/Dを有する2個のダイを必要とする)。

参考資料

  • ISO 11443: 2005「キャピラリー及びスリットダイレオメーターを用いるプラスチックの流動性の測定」
  • ISO 1133:2005「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート(MFR)及びメルトボリュームフローレート(MVR)の測定」
  • ASTM D3835-09「キャピラリーレオメーターを使用するポリマー材料特性の測定に関する標準試験方法」
  • ASTM D1238-10「押出し式プラストメーターによる熱可塑性プラスチックのメルトフローレートに関する標準試験方法」
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