引張試験

「引張試験」とはどのようなものなのか?

抗張試験としても知られている「引張試験」は、材料に関して実施することができるおそらくもっとも基礎的な種類の機械的試験である。「引張試験」は、簡単で、比較的安価であり、完全に自動化されている。材料を引張ることにより、引張りでかけられる力に対してその材料がどのように反応するかが極めて迅速に測定される。材料が引張を受けると、その材料がどのくらい伸びるかが分かるとともに、その強さが分かる。

なぜ「引張試験」あるいは「抗張試験」を実施するのか?

「引張試験」から物質に関して多くのことを学ぶことができる。材料を破断するまで引張り続けると、良好で完全な引張りプロフィルが得られる。曲線は力に対してその材料が結果的にどのように反応するかを示す。破断点には大きな関心が有り、これは通常「極限強さ」と称される。

フックの法則

多くの材料の引張試験に関しては、試験の初期部分において、かける力と試験片の伸びが線型を示すことに気づくであろう。この線型領域においては、直線はひずみに対する応力の比が一定、あるいはσ/ε= Eの「フックの法則」として定義される関係に従う。Eは、応力(σ)がひずみ(ε)に比例するこの領域における直線の傾きであり、「弾性係数」あるいは「ヤング率」と呼ばれる。

弾性係数

「弾性係数」は、材料の剛性の大きさであるが、応力―ひずみ曲線の線型領域のみに適用される。この線型領域内で試験片に荷重をかけると、荷重が取除かれると材料はまったく同じ状態に戻る。曲線がもはや線型ではなく、直線関係からはずれる点において、「フックの法則」はもはや適用されず、試験片には永久変形が生じる。この点は「弾性限界、あるいは比例限界」と称される。引張試験におけるこの点から先は、荷重あるいは応力のさらなる増加に対して、材料は塑性的に反応する。この場合、荷重が取り除かれても、材料は元の状態に戻らない。

降伏強さ

材料の「降伏強さ」と呼ばれる値は、材料に負荷がかけられている間に塑性変形の発生が開始される、材料にかけられる応力と定義される。

オフセット法

材料によっては(例、金属およびプラスチック)、線型弾性領域からの逸脱は容易に特定することができない。従って、試験材料の降伏強さを測定するため、「オフセット法」が許される。これらの方法は、ASTM E8(金属)およびD638(プラスチック)で考察されている。オフセットは、ひずみの%(E8において金属では通常0.2%、プラスチックではときには2%が用いられる)として規定されている。線型弾性領域(傾きが「弾性係数」に等しい)の直線をオフセット「m」から引く際に交点「r」で求められる応力(R)が、「オフセット法による降伏点」となる。

代替のモジュラス

材料によっては、引張線図が非常に明確に定義された線型領域を有していない。これらのケースでは、ASTM規格E111は、材料のモジュラス、ならびに「ヤング率」を測定する代替方法を提供している。これらの代替のモジュラスは、「割線モジュラス」および「接線モジュラス」である。

ひずみ

引張り試験においては、試験片が受けるストレッチあるいは伸びの量も見出すことができる。これは、長さの変化における絶対測定値、あるいは「ひずみ」と称される相対測定値として表現することができる。「ひずみ」それ自体は、「工学ひずみ」と「真ひずみ」として、2つの異なる方法で表現することができる。「工学ひずみ」は、おそらくもっとも簡単で、もっとも一般的な「ひずみ」の表現である。これは、元の長さに対する長さの変化の比、e = (L -L0)/ L0 = ΔL/ L0である。一方、「真ひずみ」は似ているが、試験の進行に伴う試験片の瞬間的な長さにもとづいていて、ε= ln(Li/L0) である。ここで、Liは瞬間的な長さであり、L0は初期の長さである。

極限引張強さ

材料に関して測定することができる性質の1つは、「極限引張強さ(UTS)」である。これは、試験片が試験時に耐える最大荷重である。この「極限引張強さ(UTS)」は、破断強さとは等しい場合もあり、等しくない場合もある。これは、試験対象の材料がどのような種類の材料、脆性、延性、あるいはこの両方の性質さえも示す物質、であるかにすべて依存する。また時には、ラボで試験した時には延性の材料が、使用時に極寒の温度のさらされると脆性挙動に遷移する可能性がある。