バイオメディカルニュース

第3号

21 CFR Part 11規則遵守(コンプライアンス)に対応したデータ信頼性:ComplianceBuilderに関するXybionとの連携

 データ信頼性と規則遵守は、米国食品医薬品局(FDA)や、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)、世界保健機関(WHO)などの、世界中の国際的規制機関にとって、大きな関心事であります。過去毎年のように、これらの規制機関は、市場に発売される医用製品や食用製品の品質、安全性と有効性を保証するために、監視水準を高めています。研究機関に関連して、FDA 21 CFR Part 11とGxPなどの規則により方向付けされているように、データの信頼性とは、データの生成、変形、維持について、完全さ、正確性、一貫性を、そのライフサイクル全体に渡り保証することです。


FDAレポートの最近のデータによると、下記の図に示されているように、製薬と医療機器、食品の各産業は、FDAの監査結果から生じる課題に対応し続けています。

483 Observations with cGMP Violations

現行適正製造規範cGMP違反による、483指摘の類別件数

記録・報告  ラボの管理  製造およびプロセス管理  装置  包装およびラベル管理
2015年には、FDAの483フォームが製薬産業に発行された件数は5%増加し、FDA483フォームの指摘の件数は21%と大きく増加しました。
FDA Form 483 Observations Chart


CAPAの欠陥指摘の大部分は、ラボのコンプライアンスに関する管理と他の製造・プロセスの管理システムの欠如のため、発行されています。共通的なデータ信頼性の問題は、

ユーザー確認
・完全なデータのトレーサビリティ
・データの消失と消去
・データへのアクセスに関する管理欠如
・検証されたシステムに記録されたデータ

過去10年間、インストロンはXybion Corporationと連携し、BluehillのユーザーにComplianceBuilderを提供して、CFR Part 11の要求に対応することを可能にしてきました。以下の表に、データの信頼性を構築するCFR Part 11 コンプライアンスに関する、主要な要求の幾つかについて詳細を示すとともに、ComplianceBuilderで取り組まれている内容が示されています。

CFR Part11の要求  ComplianceBuilder™の機能
  • 基本的な記録の維持および管理システムの検証
  • 検査・精査に適した、判読可能なまたは電子形態での、記録の正確かつ完全なコピーを提出できること
  • 記録の保護と、回復するメカニズム
  • システムへのアクセスを、適正な立証された訓練記録を持つ、権限を与えられた、または有資格のユーザーに限定すること
  • 安全かつコンピュータ出力可能な、時刻記録のある監査証跡の利用
  • SOPにより動くワークフローとステップ手順を確実にする、操作システムのチェックの利用
  • ComplianceBuilder™は、完全に検証されたシステムです
  • 元の場所で消去されても、更新が管理されたファイルを回復できます
  • 生データおよび変成データについて監査証跡を出力します
  • 電子署名を構成します
  • ユーザーのアクセス管理を提供します
  • ファイル・システム、データベース、およびラボ装置を含めて、全てのITサブシステムの変更を追跡します
  • 表計算、文書、テキストおよびBluehillファイルについての変更を、追加および消去、ファイル修正を含めて監視します
  • アクセスの権限を与えられた人員のみに制限する、デバイスと権限のチェックを行います
インストロンは世界中の企業と連携し、大小を問わず、医療デバイス、製薬、バイオテクノロジーなどの、多くの産業界にCFR Part11 Complianceを提供、支援してきました。ComplianceBuilderは、通常、インストロンのシステムに直結しているPCワークステーションにインストールされ、データ信頼性を提供するとともに、Bluehillで出力される全てのデータを監視してリアルタイムのコンプライアンスを可能にします。幾つかの大企業は、ComplianceBuilderの利用をXybionのサーバーまたはサイトライセンスを通じて拡大し、他の研究装置とシステムのコンプライアンスを実現しています。サーバーライセンスは、インストロンのシステムだけでなく、全研究装置に渡ってコンプライアンスを可能にできます。

データ信頼性と規則遵守は、世界中の国際的な規制機関にとって、主要な注目課題であり続けますので、研究機関が検査を拡大して、試験データの全ライフサイクルに渡り、その品質、信頼性と有効性を確実にすることが必要です。

非経口製剤の残留シール力(RSF)試験

 薬瓶パッケージ・システムに詰められる非経口製剤は、汚染と製品の漏れを防止するため、ガラス薬瓶とエラストマー製の蓋との間の接触面に強固なシールが必要です。このシールは、製造過程で作成されるものですが、様々な取り扱いや工程、保管条件に耐えなければなりません。


薬瓶のシールは、主に3つの部分から構成されています。ガラス薬瓶と、ゴムのストッパー、さらに薬瓶内のゴム・ストッパーを保護するアルミニウム製キャップです。アルミニウム製キャップは圧縮応力で薬瓶とストッパーに対して締め付けられ、ガラスとゴム表面が充分に接触するようにしなければなりません。重要な蓋の変動要因としては、寸法特性と公差、そして弾性率と硬度を含めた、3部分の機械的性質があります。最初に蓋が薬瓶を圧縮する力は、アルミニウム製キャップを取り付けるときに懸かる、垂直および水平な締め付け力の関数になっています。しかし、ゴムの粘弾性的な緩和挙動のため、蓋の薬瓶に懸かる圧力は時間とともに低減していきます。それに加えて、エラストマーの成分と様々なプロセス条件が、ゴムの粘弾性に影響を与えます。

Residual Seal Force Test        Residual Seal Force Test

 非経口製剤の薬瓶のメーカーは、初期にシールが作成された後、薬瓶に懸けられる力を測定する定量的な手法を持つことを求められています。定量的な力に関するデータを得ることができれば、製品の貯蔵寿命に渡ってシールの有効性を保証するシール条件を最適化できます。この力は、残留シール力として定義されます。

残留シール力の測定は、薬瓶の圧縮試験によって行うことができます。上の写真で示されているように、専用の圧縮試験用の冶具が用いられます。下部は薬瓶のボディ直径に合わせた専用冶具になる一方、上部は薬瓶のキャップ直径に合わせた専用冶具になります。上部冶具は、球面座になっていて、薬瓶キャップに均等な負荷が確実にかかることようにするとともに、薬瓶の外側直径に接触して、確実に力の読み値が薬瓶シールにおけるものであるようにします。

下図の圧縮曲線は、金属シールとエラストマー製の蓋の応力‐変形挙動と説明できます。

Residual Seal Force Graph

 残留シールにおける荷重
試料 1  3.9 lbf
試料 2  4.3 lbf
試料 3  3.6 lbf
試料 4  3.7 lbf
試料 5  3.9 lbf
試料 6  3.4 lbf
試料 7  4.1 lbf
試料 8   3.2 lbf
平均  3.7 lbf
標準偏差   0.37 lbf                      

インストロンによるラボ装置の検証、メンテナンス、検証と校正サービス

FDA 21 CFR 820.72に従った装置の検証は、特定の装置が意図された目的に対して適正であり、有効な結果を生成することが可能であることを保証するために行われます。

設置認定(IQ: installation qualification)プロセスは、システムが正しく設置されたことを立証するために設計されています。この文書化は、設置条件、安全な運転の様式、全てのシステムのマニュアル、環境条件、そして適正な訓練と装置のメンテナンスに関する全ての情報などの、事実に基づく情報を含みます。運転認定(OQ: operation qualification) プロセスは、試験システムの正しい運転と有効な結果を生み出すことができることを検証するために設計されています。検証内容はソフトウェアの機能性チェックを含み、全ての必要な測定と計算を検証します。

インストロンの専門サービス・チームは、引張や圧縮、ねじり、曲げ試験を含む、様々な種類の試験に対して、IQ/OQの文書化のオンサイト支援を提供しています。また、インストロンのBluehill 3ソフトウェア内の、多種類の計算についての検証も含まれます。

IQ/OQに加えて、ラボは、装置の予防的メンテナンス(PM: preventative maintenance)の計画を持たなければなりません。装置のメンテナンスは、通常、装置メーカーより配布されるマニュアルに記載されます。メンテナンスは、機械の清掃のように簡単なものから、適切な装置の保管、更には変換器の検証や校正のようにもっと複雑なものまであります。

検証と校正サービスは、力、ひずみ、速度、変位を、既知の規格に従って検査することを含みます。医療デバイスの企業にとって、システムの正確な測定を確認するために、定期的に検証と校正を実施することが必要です。

Webinar: Common Sources of error in biomedical testing

In the medical device and pharmaceutical industries, data accuracy is incredibly important.  Watch the webinar below for the most common areas overlooked in testing that could lead to inaccurate or misleading results.







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ひずみ測定について

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