この試験方法は、ポリマーの機械特性(この場合、表面特性)の高温時における保持能力を測定するために使用します。プラスチックはあらゆる用途分野において常に、既存の材料に取って代わっているため、この種の試験はますます重要になってきています。試験自体は、試験片に点荷重を加えたまま試験片の温度をゆっくりと上昇させて行います。点荷重が試験片に1 mm貫入した時点で試験を終了し、温度を記録します。

残念ながらこの試験は、設計用の計算に使用できる結果は提供しません。ですがこの試験は、製品の品質管理または開発用のツールとして非常に役に立ちます。試験結果としては、熱可塑性プラスチックが急速に軟化し始める温度の測定値が求められます。この試験には、試験片が一定の最小面積を有している限り、試験片のサイズや形状は自由であるという実用的な側面があります。つまり、この規格に従えば、他の規格よりもはるかに少ない材料しか使用せずに試験を実施することができます。

ISO 306と類似している規格として、ASTM D1525、および加熱撓み温度(HDT)試験方法のISO 75ASTM D648があります。ASTM D1525は、このISO 306規格と非常に類似していますが、サンプルの初期クリープが考慮されています。さらに、HDT試験はビカット試験に操作が似ていますが、ヘッドと試験片サイズが異なっています。

お客様のラボラトリーで熱機械試験のニーズがある場合には、インストロンのHDT-ビカットソリューションをご検討ください。当社では、オイルベースまたはオイルフリーの熱伝導媒体を用い、自動化オプションをお選びいただけ、3台または6台のステーションを有する装置を提供することができます。インストロンの装置は、使いやすく、容易にお客様の試験のニーズに適合させることができます。さらに、お客様が試験片を作成する際には、試験片作成システムをご利用いただくことができます。

ISO 306による試験を始める前に、試験方法と装置を十分理解するために、この規格を参考にしてください。

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