ひずみ制御の課題

ひずみ制御が重要なのはなぜでしょうか?

2009年に、重要な金属試験規格の1つが更新され、試験片のひずみ速度制御に基づいた方法を含めるようになりました。更新された実施方法は、研究室にもたらされるメリットとともに、よく誤解されているようです。

金属の機械的性質が試験速度によって影響される場合があり、従って「ひずみ速度感受性がある」ことになります。応力制御またはクロスヘッド速度制御の試験においては、試験機全体の剛性が試験片の速度に影響を与え、試験結果に差異を生じます。

ひずみ速度感受性のある材料を試験する場合、許容される試験速度であっても、ASTM E8/E8MISO 6892-1において許容範囲内の最低速度と最高速度では、耐力に10%以上の差異を生ずる場合があります。

下図のグラフは、同じ材料について2つの曲線を示しています。上の曲線は、ISO 6892-1 Method Bの範囲内で、最大ひずみ速度で試験した場合を、下の曲線はMethod Bの範囲内で最小ひずみ速度で試験した場合を示しています。

Maximum strain by ISO 6892-1

“Method Aは、ひずみ速度感受性の高いパラメータが決定される範囲で、試験速度の変動を最小化し、試験結果の測定不確実性を最小化するように意図されております。」(ISO 6892-1:2009).” – (ISO 6892-1:2009)

ひずみの閉ループ制御実現に必要なこと

安定したフィードバックが可能な高精度伸び計が必要です。

試験中に滑りを起こさず、試験片を確実にグリップですることが必要であり、高剛性であることが望ましい条件となります。下図のグラフは、様々な種類のグリップ装置が、システムの剛性に影響する様子、および機械側によるひずみ制御補正の必要性を示しています。

Effect that different type of gripping device can have on the system stiffness

試験システムおよび試験片に、振動や衝撃が伝わらないようにすることが必要です。

高剛性を持つ、高精度で安定したドライブ・システムが必要です。下図は、公称同等な材料についての、応力ひずみ曲線を示しています。一方は、高剛性のフレームで、片方は、低剛性のフレームで試験されています。両方の試験とも、一定のクロスヘッド速度2.25mm/minにおいて試験されていますが、ひずみを推定する手法を用いて計算すると、「試験片速度(mm/min)」に21%の差異があり、これは降伏応力の結果に5%の差異を生じます。

Stress Strain Curve

下図のグラフは、高剛性システムと低剛性システムにおける、試験片速度の差異を示しています。試験初期に、クロスヘッドの動きは、非常に速く試験片のひずみに伝達されますが、柔らかいシステムにおいては長い時間を要しています。これは、試験機およびロードセル、グリップの変形によるものであり、クロスヘッドの動きが試験片に直ちに伝達されない状況を引き起こしています。ひずみ制御を用いれば、試験結果はもっと同等なものになりますが、柔らかいシステムでひずみ制御するのは、大きな課題になる可能性があります。

Specimen speed difference between a ‘stiff’ system and a less stiff system

ひずみ速度を許容範囲に確実に維持するために、試験片降伏時の剛性変化に対応してゲイン調整が可能な、応答性の良い制御ループが必要です。

比例試験片および比例標点距離の伸び計が理想的です。実際には、正しい標点距離/平行部長さ比を持つ試験片が、標点距離の外側に生じるひずみを最小化するのに適しており、ひずみ制御をより安定化できます。

試験片が非連続的な降伏または連続的な降伏に変動する場合には、それぞれについて制御方法を変更することが重要です。非連続的な降伏を示す材料においては、標点距離の外側で局所的な降伏を生じることがあるので、ひずみのフィードバックから制御することは困難で、降伏点伸び(YPEまたはAe)の間はクロスヘッド速度制御にすべきです。

ひずみの閉ループ制御を使う有効性のまとめ

✓ より再現性が高く、他の試験機の試験結果と比較可能な結果 -試験機が異なっても信頼性は変わらない試験結果
✓ 作業効率の向上 -試験時間の最短化と準備時間の削減
✓ 5900制御エレクトロニクス装備の試験システムを使う場合、試験片の種類ごとのチューニング調整が不要
✓ お客様の研究室の将来に渡る保証

 

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