ASTM D3039は、ポリマーマトリクス複合材の標準引張試験法を説明しています。この規格は、多数のさまざまな試験形態とならんで、広範囲の試験片寸法に関する試験方法を扱っています。この点に関して、インストロンではカーボンファイバー試験片の試験を行いました。試験片が確実にグリップされ、破断が固定具フェース内の試験片ではなくゲージ長内の場所で確かにおこるように、端部にタブを付けた試験片を作成しました。この試験は、試験片の高温(85℃)時と低温(-60℃)時の双方における結果を希望したお客様に対して実施したものです。
この試験に関しては、引張試験用に設計された5585H床置き型システムを使用しました。所定の温度で試験を実施するため、-100℃から350℃までの範囲の環境チャンバーを使用しました。このチャンバーでは、内部の加熱コイルを用いた85℃における試験と、その後パイプから液体窒素を流すことにより-60℃における試験を実施することができます。試験の開始前に、試験片を30 kNのメカニカルウェッジグリップに装入し、クリップオン伸び計を付け、チャンバーが設定温度に達するまで待機しました。周囲温度よりもはるかに低い温度あるいははるかに高い温度で試験を行う場合、ポリマー複合材はたいてい膨張・収縮し、その結果、温度変化にともない試験片に張力または圧縮力がかかります。このBluehill 2ソフトウェアとともに用いる5500シリーズのフレームは、荷重しきい値を設定して試験開始までは荷重が超過しないようにすることができる試験片保護機能が付属しています。さらに、荷重の偏りは試験結果に大きい影響を与える可能性があるので、固定具フェースに対して確実に試験片を最適なアラインメントに調整するオプションの試験片アラインメント装置を使用しました。
インストロンでは、環境チャンバーを用いてカーボンファイバー試験片を所定の温度に保持する試験に成功しました。Bluehill 2ソフトウェアを用いて結果を求めたのは、引張強さ、破断ひずみ、ヤング率です。ASTM D3039にはその他の結果として、ポアソン比と遷移ひずみが規定されています。
この規格の複雑さと重大さのため、その要求事項を完全に理解するためにはASTM D3039を検討することを推奨します。