パイプ製品の引張試験には他にはない難しい課題があります。つまり、オペレータが試験片をグリップする際に、不注意によりその端部を押しつぶす可能性があります。完全な円形のパイプのサンプルは、多くの場合サイズが大きすぎるため、開度が大きいグリップを必要とします。またパイプのサンプルによっては径が大きすぎるため、オペレータはパイプの側面から小型試験片を切り出さなくてはなりません。
試験機のグリップ固定具によって円形パイプ試験片が押しつぶされないようにするため、インストロンではパイプ端部に金属製プラグを挿入しました(参照:ASTM A370)。この方法は、一般に直径50 mm(2インチ)未満のパイプに用いられています。この方法を用いると、試験機の標準品であるヘッド内装着式V溝型固定具付きクロスヘッドを用いることができました。このクロスヘッドグリップは、大型のパイプサンプルの試験の際に経済的なソリューションを提供し、試験機の最大容量までパイプサンプルの試験を行うことができます。インストロンではまた、さまざまな外部装着式のウェッジアクショングリップを用いて、小径の試験片の試験も行いました。
パイプの側面から切り出したサンプルを試験する場合、オペレータは試験片の端部を平らにして、従来のグリップフェースあるいは曲面のグリップフェースを用いることができます。ひずみを測定するため、インストロンでは大型試験片(最大直径89 mmまで)用に設計された工業用伸び計を用いました。最後に、データを収集して結果を計算するため、Partnerソフトウェアを用いました。このソフトウェアの特徴である試験片選択機能を利用して、パイプ寸法を入力することにより円形のパイプ断面、あるいは切り出した試験片断面どちらでもその断面積を自動的に計算することができました。これにより、長く時間のかかる計算を省くことができました。
スチールパイプの破断試験では大きな荷重を必要とするため、この試験では油圧駆動方式の万能試験システム(モデル300DX)を選びました。この「SATECTMシリーズ」のフレームは、大型で大重量のパイプとチューブのサンプルの試験において、種々の適切なオプションとともに、必要な大容量を提供しました。