ASTM D638、ISO 527-2のようなプラスチックの引張規格は、熱硬化プラスチック、熱可塑性プラスチック、及び繊維強化プラスチックなどの広範囲のプラスチックを対象とします。試験片には、硬質プラスチック、半硬質プラスチック、成形プラスチックあるいは押出しプラスチックを用いることができ、その形状は一般にダンベルあるいはドッグボーンとなります。
プラスチックの機械特性は、プラスチックの種類と配合に混入させることができる添加物によって変わります。強度、延性、靭性などの性質は、さまざまな添加物の種類によって影響を受けます。適切な試験装置を決定するためには、各種添加物の結果によりどのように材料挙動が変化するかを理解することが大切です。タルクあるいはガラスのような添加物は材料を堅くする一方、ゴムのような他の添加物はプラスチックの延性を増加させます。このように材料特性が変わると、多くの場合試験装置に対する要件も変わります。
配合にゴムを添加した結果として材料の延性が増加する場合には、破断ひずみを測定する際に高伸度伸び計の使用を推奨します。材料を堅くする添加物に関しては、この逆になります。堅い材料は概してひずみが小さく、弾性領域が狭くなります。弾性率は弾性領域内で測定するので、弾性率を正確に測定するためには多くの場合高解像度の伸び計を必要とします。
弾性率と破断ひずみの両方を測定しようとすると、適切な伸び計を選択するのは難しい問題となります。静的クリップオン伸び計のように伸び計の種類により、精度は伸び計の移動量の関数となります。伸び計が移動できる量が大きければ大きいほど精度は低下します。この結果、比較的大きいひずみをもつプラスチックについて、その弾性率と破断ひずみの両方を測定することは難しい作業になります。この規格は、降伏点までの直接ひずみの測定のみを要求しているので、弾性率の測定には静的クリップオン伸び計が適しています。
MFX 500及び先進ビデオ伸び計(AVE)のような自動伸び計は、移動の全範囲をとおして高い精度を有しています。その結果これらの伸び計は、試験の初期段階で高精度が要求される用途向けに対して理想的ですが、破断ひずみの測定能力が要求される用途向けにも理想的です。これらの伸び計は、手動試験システム、ならびに自動試験片取扱機能を利用する完全自動試験システムについて使用することができます。
上記のようなサンプルの試験向けに適したシステムは、メカニカルウェッジグリップをもつインストロン電気機械式試験機シリーズの3300、5500あるいは5900システムです。適切な容量で使用するかぎり、空気圧式サイドアクションググリップも適しています。固定具フェースの選択はサンプルの種類によって変わりますが、鋸歯状のフェースがもっとも一般的です。MFX 500及び先進ビデオ伸び計(AVE)の双方を推奨いたします。