ASTM E8には、引張試験における金属製品の降伏強さ、降伏点伸び、引張強さ、伸び、および絞りの測定方法が説明されています。ASTM E8は、シート、プレート、ワイヤ、ロッド、バー、パイプ、およびチューブを含むあらゆる形状の金属材料に適用されます。これらの各種類の試験片に関して、この規格は適切な試験片の形状と寸法を定めています。これらの試験片には、試験を成功させるために非常に重要な特定のグリップソリューションを必要とします。もっとも一般的な試験片の断面形状は長方形と円形です。プレートの長方形試験片には、断面が幅1.5インチ、公称厚さ3/16インチ以上の縮小された部分があります。シートの長方形試験片は、断面が幅1.5インチ、厚さ3/4インチ以下でなくてはなりません。厚さが最大1/4インチまでの材料に関しては、幅1/4インチのサブサイズ試験片を使用することができます。材料の厚さが1/2インチ以上の場合、円柱状の試験片も使用することができます。もっとも一般的な円柱状試験片は直径が1/2インチあり、普通は金属の鋳造材および展伸材に用いられます。
長方形断面の試験片を用いて試験を行う場合、インストロンでは、平らな鋸歯状フェースを備えた手動、空気圧式および油圧式などのさまざまな機械式ウェッジアクショングリップを使用しています。円形断面の試験片の場合には、試験片端部の形状により、V字鋸歯状フェースあるいはねじ切りしたフェースを用いることを推奨します。細いワイヤの試験に関しては、インストロンでは、クランプ領域における破断を避けるため、長いワイヤ断面において負荷を適切に分散させる空気圧式のコード&ヤーングリップを通常使用します。試験片の作成が不適切であると、多くの場合満足な試験結果が得られません。確実に正確で高精度な試験結果を得るためには、慎重に試験片の機械加工を実施しなくてはなりません。
インストロンの「万能試験機」は、正確な結果を保証するためASTM E8により要求される精度の規定を満足します。あるいはそれ以上の精度を提供します。Bluehill®ソフトウェアは、引張試験を容易かつ正確に実施する標準機能を提供します。さまざまな段階で速度の変更を必要とするさらに複雑な試験の要求条件、あるいは特定の応力付与またはひずみ付与に関しては、インストロンでは、「Bluehill 2金属」用モジュールの使用を推奨します。このモジュールを用いると、ASTM E8により指示される降伏点伸び、および上降伏点と下降伏点のような試験結果を計算することもできます。
インストロンは、金属の引張試験における伸び計測に関する広範囲のソリューションを提供します。インストロンの伸び計は、ASTM E 83による精度分類を満足します。あるいはそれ以上の精度分類を提供します。例えば降伏強さに対応するひずみのようなひずみ測定を実施する場合、インストロンでは通常当社の軸方向クリップオン伸び計2630シリーズを推奨します。例えば「自動伸び計(AVE)」のような非接触式伸び計を用いると、解放されるエネルギーによって機器が損傷されること無しに破断点伸びの測定が可能になります。
ここでは、ASTM E8の主要な内容をご紹介しました。しかしながら、この規格は複雑で膨大であるため、インストロンでは、その要求事項を完全に理解していただくために、お客様にこの規格を詳しく検討することをお勧めしています。