繊維強化コンクリートの曲げ靭性を測定するASTM C1550-08の要求事項は、現在使用されている大半の標準試験システムに対して、とくに以下のような複数の難しい課題を引き起こします。

  • 試験片サイズ: 直径800 mm(31.5インチ)のサイズでは、既存の多くの荷重試験フレームでは試験片を収容する試験スペースの幅がありません。
  • フレームの所要剛性: 曲げ靭性に関する正確な結果を得るためには、装置と荷重トレインの片寄りは、試験片のたわみと比べて無視できる大きさである必要があります。
  • 試験片の正確なたわみ測定: 試験片のたわみは、望ましくは取付け具をもつ測定装置により正確に測定する必要があります。
  • 複雑なデータ分析: この規格は、曲げ靭性の正確な報告を保証するため、荷重-たわみ線図の詳細な分析を要求します。大半の荷重試験システムにおいて要求される分析には、試験結果を作成するためデータのスプレッドシートあるいはその他の分析ツールへのエクスポート機能を必要とします。

これらの課題を克服するため、インストロンでは、直径800 x 75 mm厚のコンクリート試験片を収容する試験スペース幅と取付け具を有する特注のKN式荷重フレームを提案しました。この試験フレームは、当社のIシリーズ制御を具備した600KN荷重フレームを基礎としていますが、優れた剛性を確保し、正確な荷重の制御と精度を維持するため、150 kNのアクチュエータとロードセルが装備されています。インストロンでは、コンクリート試験片の中心部直下において試験片のたわみを測定するため、特注の取付け具をもつLVDTも供給しました。

最後に、インストロンは、オペレータが簡単に試験の段取りをして試験速度を制御することができ、また試験終了後に迅速かつ正確に結果を入手することができるように、ユーザーインターフェースとしてBluehill Universalソフトウェアを供給しました。Bluehill Universalソフトウェアは、試験の終了後ただちにASTM C1550-08により要求されるあらゆるデータ分析を実施することができ、またオペレータが評価できるように測定結果を画面に表示します。結果およびデータは、Accessのデータベースにも保管され、後日ネットワークを経由して検索して取り出すことができます。

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