ASTM E23 振り子式シャルピー衝撃試験のためのNIST認証結果
ASTM E23には、シャルピー試験片の衝撃試験に関する要求事項が詳細に説明されています。さらにインストロンでは、NIST(国立標準技術研究所)の認定結果を必要とする方法を用いた試験の依頼を受けました。
この試験では、100フィート・ポンドの衝撃エネルギーを必要とするため、インストロンではシャルピー試験用に最大300フィート・ポンドまでの装備を有するSI-1K3振子型衝撃試験機を選びました。この試験機には、正確な試験結果を保証するための特有の基礎的な要求事項があり、これは設置マニュアルに記載されています。このシャルピー試験片の取扱い及び試験機のアンビルへの取付けには、室温及び低温試験双方において特殊なトング(W-3550)を必要とします。NISTの認定では、検証用試験片は試験機内で破壊しなくてはならないことが要求されます。検証用に検討するためには3種の試験片セットがあり、このASTM規格はこの中で少なくとも2個の試験片セットを破壊しなくてはならないことを要求しています。その破壊試験片には高エネルギーシステムが含まれていなくてはなりません。
- 40℃で破壊する5個の低エネルギーシリーズ(約10~15フィート・ポンド)セット
- 40℃で破壊する5個の高エネルギーシリーズ(約65~100フィート・ポンド)セット
- 室温で破壊する5個の超高エネルギーシリーズ(約130~180フィート・ポンド)セット
インストロンでは、当社の試験機が約100フィート・ポンドで破壊することの認定を受けるため、高エネルギー及び超高エネルギーシリーズの試験片の破壊試験を実施することにしました。NISTは試験片を-40℃に冷却してこの温度で試験を行うことを要求しているため、高エネルギーシリーズにおける破壊用には冷却槽が必要となります。試験完了後、認定検討用に各試験片の衝撃エネルギーと破壊された試験片に関する書類をNISTに送付します。その後、認定(合格)報告あるいは不合格報告のいずれかを受領することになります。不合格報告には、次回の認定機会において満たすことが必要な変更に関する提案が記載されます。
試験用取付け具、手順及び結果に関する要求事項を完全に理解するためには、インストロンでは、この規格に目をとおして検討されることを推奨します。
9000シリーズ 振子型衝撃試験システム
棒材/ダンベルからパイプまで、広範囲なサンプルに対して特定の規格に従って、シャルピー試験、アイゾット試験、引張衝撃試験およびダインスタット試験を行うように設計されています。
- 製品
- 9/1/2013
- 3.3 MB