整形外科の骨折固定のためのマイクロインプラントの低荷重動的及び疲労試験
整形外科用マイクロインプラントは、「内科」と「歯科」における骨の疾患と骨折の治療、及び軟部組織の損傷に用いられます。このインプラントは、治癒過程において骨あるいは軟部組織の構造剛性とアライメントを維持するため、充分に強度があり安全であることが極めて重要です。患者の通常時の行動では、インプラントは生体内で大きな負荷を受ける可能性があり、その結果大きな問題となる機能不全を生じることもあります。従って、ASTM、ISO及びFDAのガイドラインに添って所定の期間あるいは所定の負荷プロファイルにわたって期待性能を評価するためには、負荷状態を模擬する試験は非常に重要です。
Electropuls E1000とE3000システムを用いて、チタン製の指用マイクロインプラントの繰り返し疲労試験を実施して成功を収めました。負荷用ヘッドとして用いる小型ボルトとナットの組合せを用いて低荷重Dynacellロードセルを上部アクチュエーターに取付けて試験を行いました。金属の万力を下部の取付け具として使用しました。
この試験は、安定性を確保するため最初「デジタル位置制御」機能を用いて実施しました。試験の次の段階は、5、10、15、20 Hzにおいて荷重制御機能を用いて実施しました。これらの制御は非常に安定していて、ピーク荷重は±0.1 Nの精度内に適切に入りました。
試験はすべて、標準スチフネス調整から得られるデフォルトのループ制御ゲインを用いて実施しました。この調整と「振幅制御」との組合せを用いることで、応答は要求された振幅を達成し、制御の安定性を維持するのに適切でした。Electropuls制御装置を用いると、所要時間と応答を改善するためさらに制御ループを調整することが可能です。この最適化作業では、さらにループゲインを増やすためには、唯一の比例要素である「ゲインファクター」を調整します。
まとめますと、インストロンのElctroPulsエレクトロダイナミックシステムは、広範囲の周波数全体にわたってきわめて優れた応答と精度をもたらし、インプラントの耐久性試験には理想的なことが分かりました。Dynacellロードセルからのイナーシャ補正のようなハードウェア機能を用いると、このシステムの応答性は環境槽の内外どちらでも最適化することができます。これらの試験結果から、ラボにおいてインプラントの特性とその性能に関して包括的な範囲を調査することが可能であることが分かります。
ElectroPuls™ 試験システム
ElectroPuls™は単相電源のみで駆動でき、従来の油圧サーボ技術とは異なった環境への影響が少ない、全く新しい疲労試験機です。作動油、三相電源、冷却水が不要です。製品の概要をご覧いただき、お客様の試験環境でElectroPuls™をどのようにご活用いただけるかご検討ください。
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- 4/24/2013
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