キャピラリー・レオメーター粘度測定を用いたゴム・コンパウンドの製造最適化
ある一流ゴム製品メーカーは、未加硫ゴムの押出し加工で難題に直面していました。配合(処方)を変更したら予測していなかった結果が生じてしまったのです。
そこで、インストロンのCEAST SR20(SmartRHEO 2000)キャピラリレオメーターを用いて、数種類の個別のせん断速度において、一定せん断速度の押出し加工により3種類の異なるゴムの配合の違いによるキャラクタライゼーションを行うこととしました。加工時の温度、圧力およびせん断速度において、未加硫ゴム化合物の加工時の挙動を測定し、提示されるデータから、このレオメーターの能力が実証されました。
分析から得られた情報により、受入材料の品質を「良品」あるいは「不良品」とします。ブレンド作業、その後の試験、試験運転などに作業時間をかける前に「不良品」ロットを不合格とすることができるため、大幅にコストを節約することができました。(1回の試験運転の失敗によるコストはレオメーター1台の購入費用にほぼ等しいことが広く知られています。)最後に、加工条件を調整して「不良品」サンプルから高品質の最終製品をつくるように処理することに成功しました。第1パスでは、押出機の温度、速度(せん断速度)あるいは押出機のトルク(圧力)などの調節方法に対するヒントが得られます。また、「不良品」と「良品」とをブレンドして、キャピラリレオメーターにより再度分析を行い、加工環境の微妙な調整により高品質の最終製品とするために上手にブレンドすることができるかどうかを判断することができます。このように、この作業では加工条件について詳しい知識をもつことと、この条件をレオロジーデータから得られる情報に関連付ける必要があります。
このような試験結果から、CEAST SmartRHEOキャピラリレオメーターの能力と広範な対応力とともに、このキャピラリレオメーターには、これらのサンプルについて40種類のせん断力と30種類の粘度に関する結果を報告する能力のあることが実証されています。これにより、3種類の未加硫ゴム材料すべての粘度曲線を効果的に解明し、各種の加工条件における材料粘度を効率的に予測することができ、また理想的な加工領域(100 1/sから1000 1/s)を定めることができます。またこの加工領域情報は、加工時のせん断速度で試験を行う際に、極めて短時間で入手することができます。
SmartRHEO キャピラリーレオメーターシステム
キャピラリーレオメーターシステムを選ぶ際には、材料の流動に要する最大荷重を評価することが非常に重要です。
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- 12/1/2010
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