銅張積層板の引張試験(CCL)

IPC TM-650 | ASTM D5109-12

課題

積層板は、電子部品を機械的に支持し、電気的に結合するために使用される基幹的な材料です。銅張積層板(CCL)は、多数の銅箔の層と、層間に用いられる補強材料から構成されています。プリント回路基板の製造過程において、CCLは基礎材料として用いられ、電気伝導性および、寸法安定性、穴開け品質、引剝がし強度、曲げ強度、耐熱性等の物理的性能を確保します。新しい補強材料(ガラス繊維布、アスベスト・シート、紙)と、色々な種類の樹脂(フェノール、エポキシ、ポリイミド)が用いられているので、各々の積層板の総合的な強度を把握するために、様々な条件において機械的試験を実施することが重要です。樹脂と組み合わせて使われる補強材料は、組立プロセスでPCBに熱応力を生じないように、高い耐熱性を持つように設計されています。従って、メーカーは特に、高温におけるCCLの機械的性能を把握し、常温条件と同様の性能を確保することに取り組んでいます。

インストロンのソリューション

インストロンのシングルコラム型とデュアルコラム型システムにより、CCLの引張試験を行うことができるとともに、試験されるCCLの寸法に適合するグリップ一式を装備することができます。ひずみ測定を行う場合、接触式または非接触式のひずみ計をお使いいただけます。2630 シリーズとW-6820 シリーズの軸方向クリップ式伸び計は、シンプルな接触式ひずみ測定装置です。 高性能ビデオ伸び計 (AVE 2), のような、非接触式のビデオ伸び計は、先端的かつ高精度のひずみ測定装置です。

常温以外の温度で引張試験を行う場合、3119-600 シリーズ恒温槽をご使用いただくと、-150℃から+350℃までの温度範囲を実現することができます。また、高温にも適合するグリップや接触式伸び計も用意されています。

Bluehill® Universalソフトウェアにより、試験方法を容易にセットアップし、広範な環境条件で試験を実行できます。ひずみや引張強度等の試験結果を、ソフトウェアにより計算することができます。QuickTest機能を活用すると、迅速にセットアップと引張試験を行い、CCL材料の大凡の結果を知ることができます。