ElectroPuls®16ステーション試験システム

複数試験片の高サイクル疲労試験

ElectroPuls16ステーション試験システムは、複数の試験片の高サイクル疲労試験を同時に実施することが可能です。各ステーション毎に疲労試験用のロードセルが装備されております。このシステムは、高剛性かつ軽量設計のターンテーブルを使用しているため、高い周波数での試験を可能にし、試験時間を短縮します。

試験は透明なポリカーボネート製の塩水槽内で37℃までの温度環境下で行うことができます。試験制御ソフトウエアは溶液槽温度の取り込みが可能で、試験データとともに溶液槽温度も記録されます。

ターンテーブル式治具全体は、クロスヘッドの昇降機構を使用して溶液槽内への下降および上昇ができ、試験片の確認が容易に行えます。






10年以上の経験
インストロンは10年以上にわたりお客様と密接に連携しながら、ステーションの数を増やすために、人間工学的設計と試験片の扱いやすさを改善しながら、ElectroPulsのマルチステーション試験システムを最適化してきました。ニッケル・チタン(ニチノール)、ステンレス鋼およびその他各種の材料の長期疲労特性と構造は、以下の方法で評価することができます。

試験マーク

各ステーション専用の疲労試験用ロードセル

温度マーク

インビトロ試験の場合、温度制御された液槽内に沈めることができます

最適化アイコン

精密なステーションのアライメントと専用グリップ

WaveMatrix2アイコン

試験制御および解析用のWaveMatrix3動的試験ソフトウェア




ステントの試験システムが水槽内に半分浸かった状態



16のステーションが同期して作動します。
10年前のオリジナルデザインから能力を33%向上させ、現在は16のステーションを備えています。

高い周波数で試験する場合、治具質量による慣性効果によってデーターに誤差が生じる可能性があります。当社の新しい治具は、ステンレス製ではなく軽量チタン製となり、軽量化のために最適化された設計となっています。

中空構造のプッシュロッドとテーパー付きの下部円盤により、剛性を維持しながら治具重量をさらに軽減し、より高い周波数での試験を可能にします。

チタン製ですので、生理食塩水溶液で試験する際に特に安心です。

一体型ソフトウェアとデータ収集ソリューション
インストロンの世界有数の疲労試験ソフトウェア「WaveMatrix3」を活用

特殊なソフトウェアパッケージは必要ありません。インストロンの標準的疲労試験ソフトウェアであるWaveMatrix3は、マルチステーション疲労試験の中核となります。WaveMatrix3は、旧式WaveMatrixソフトウェアを15年以上にわたり継続的な改良を行い、さまざまな改良と新しい機能が追加されました。WaveMatrix3の詳細はこちらをご覧ください。

 


WaveMatrix3試験ソフトウェア



WaveMatrix3疲労試験ソフトウェア
個々に独立した荷重測定により、1つまたは複数のグラフで、16ステーションのすべてを同時に監視することができます。

リミットを設定し、ライブディスプレイの表示と個々のステーション全体のトレンドを追跡して、試験片の破断を判定します。

WaveMatrix3搭載の8800MTは、追加のプログラム/データ収集装置、または個別のPCが不要で、すべての荷重チャンネルのデータを記録します。インストロンは、マルチステーション試験に一体型となったソリューションを提供します。

途切れることなく試験の一時停止および再開ができ、試験結果へ影響を与えずに試験片の確認が行えます。

 





調整が容易
インストロンは、お客様の協力を得ながら、新しい治具設計の人間工学的設計を向上させました。
  • インラインのボタン型ロードセルの採用により試験治具の近くで試験片を正確に調節することができます。
  • ビーム型ロードセルと異なり、各ステーションの調整時またはプリロード時にXY軸にアライメントミスがありません。
  • 各ステーションの調整と固定は1本の六角レンチネジにより±5 mmの範囲で行えます。
  • 正確かつ簡単に、全16ステーションの均等なプリロードを実現します。
試験片の挿入と調整を簡単に行うことができます。


ステントシステム温度制御溶液槽


温度制御式循環溶液槽
  • 12リットル容量で最高温度45℃までの液槽内温度測定および閉ループ温度制御。
  • ASTM F2477が血管ステントの試験に求めている37±2℃のような、人体環境をシミュレートするインビトロの医療製品の試験を行うことができます。
  • 自己循環水方式のため、温度勾配を最小限に抑え、すべての試験片が同じ状態を維持することができます。透明な液槽は試験中の試験片の確認が容易です。
  • 試験の途中で、液槽から治具を上げることができ、目視により試験片の確認が行えます。



アプリケーション例

ステントの試験
血管ステントおよびステントグラフトの疲労試験には、完成品又は個別部分やリンクに何百万回もの疲労負荷サイクルをかける必要があります。ASTMF2477等の国際規格で要求されている合格基準を満たした試験を行うためには、この時間以降にデバイスが破壊したことがあってはならず、単一製品の妥当性確認には多数の試験片の合格実績が必要となります。

それぞれの試験が完了するまでに数か月かかることがあるため、全体の試験時間を短縮しながら、依頼された試験片の評価を行うには、複数の試験片を1台の装置で試験できるシステムが必要になります。

ステントの試験について詳しくはこちらから



Stent




お客様の声



弊社は創業以来、インストロンと協力関係を築いてきましたが、今では事業には欠かせない存在となっています。高性能生体材料の医療製品規制提出に関する独自の試験要件を理解する彼らの意欲は、我々の成長において非常に重要でした。

当社では、多くの産業用規格に沿う試験機を使用してきており、その中でもインストロンの試験機が当社の理想的システムとなっています。直感的で汎用性の高いソフトウェアと、その堅牢なハードウェアにより、正確で信頼性の高い試験結果が一貫して提供され、規制機関へのデータ提出が成功してきました。

この最先端の試験治具は、試験設定にかかる時間を大幅に短縮し、過去の複雑かつ手間のかかる調整を簡素化し、人為的ミスの可能性を取り除くことで、試験工程に革命をもたらしました。


Sean Pelton, Chief Operating Officer at G.RAU Inc.


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