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医薬品バイアルの残留シール力を求める方法

残留シール力の理解:定義、試験装置、ベストプラクティス

残留シール力試験 | Instron

レビュー: Meredith Bernstein

編集:Nick Erickson

更新日:2026年5月22日

残留シール力(RSF)とは、ガラスバイアルとエラストマー製クロージャ(栓)との間のシールの強度および完全性を定量的に示す指標です。このシールは、一般にガラスバイアルに包装される注射剤やワクチンなどの非経口製剤にとって重要です。十分な残留シール力を維持することで、製品ライフサイクル全体を通じて、汚染、漏れ、無菌性の喪失を防ぐことに役立ちます。

残留シール力の評価対象となるガラスバイアルは、容器クロージャ完全性が不可欠な医療・製薬用途に限定して使用されます。残留シール力試験の重要性を示す明確な例として、COVID‑19ワクチンが挙げられます。複数のワクチンは有効性を維持するために超低温で保管する必要があります。これらの温度では、エラストマー製クロージャが収縮し、残留シール力が低下してバイアル漏れのリスクが高まる可能性があります。

残留シール力試験は、幅広い温度範囲で実施でき、現実的な保管・輸送条件下でクロージャ材料、バイアル設計、組立プロセスを評価するのに役立ちます。この試験により、容器クロージャシステムが製造、流通、長期保管に耐えられることを重要な観点から検証でき、患者への投与まで製品の安全性と有効性が維持されることを確実にします。

残留シール力とは?

残留シール力とは、エラストマー製シールがバイアルのアルミキャップに加える力のことです。この力は、バイアルクロージャの確実性および容器クロージャ完全性を直接示す指標です。適切な残留シール力は、保管、輸送、使用の各段階を通じてバイアルが密封状態を維持することに寄与します。

バイアルのシールは、ゴム栓をバイアル開口部に圧入し、初期の加圧力でかしめたアルミキャップで固定することで形成されます。時間の経過とともに、エラストマー材料の緩和挙動、かしめキャップによる力の漸減、ならびに製造・滅菌・取り扱い工程の影響により、残留シール力は低下します。残留シール力をモニタリングすることで、これらの要因が長期的なシール性能と製品保護に与える影響をより深く理解できます。

試験を最適化

自動化により、試験の再現性向上、運用効率の改善、より安全な試験環境の実現をどのように支援できるかをご確認ください。

残留シール力の模式図 | Instron

残留シール力の求め方

米国薬局方(USP)では、非破壊手法により容器が漏れを防ぐ能力を示す指標である容器クロージャ完全性(CCI)の判定に関する規格が示されています。多くの研究により、残留シール力の値と容器のCCI性能との相関が示されており、これを受けて多くのバイアルメーカーが品質プログラムに残留シール力試験を採用しています。残留シール力の結果は、キャッピングおよびかしめ工程とも相関付けることができ、メーカーがキャップの適用設定を最適化してCCIを最大化するのに役立ちます。

推奨される材料試験システムおよびアクセサリ

残留シール力試験は、500 Nまたは1 kNのロードセルを搭載したInstron® 68SC‑1などの低荷重万能試験機で実施できます。Instronは、さまざまなバイアル形状(フォーマット)に対応するよう開発された、残留シール力試験用の複数の治具を提供しています。その一例がUniversal Vial Fixture(カタログ番号CP140386)で、アルミキャップ下端のリップが破断して、加えた力と反対方向へ動き始めるまで、バイアル縁部周囲に制御された圧縮荷重を加えます。

上部圧縮治具は球面座構造で、試験中に自動的にピボット(首振り)します。このセルフアライメント設計により、アルミキャップがわずかにずれている場合でも、治具とバイアルの間でほぼ完全なアライメントを維持でき、より正確で再現性の高い残留シール力測定が可能になります。

残留シール力を正確に測定するには、シール工程に伴う荷重低下を検出・解析できる試験ソフトウェアが必要です。残留シール力の値は、手動のカーソル選択、またはBluehill® Universalソフトウェア内の自動計算のいずれかで算出できます。

残留シール力試験用にUniversal Vial Fixtureを取り付けたInstron 68SC-5卓上万能試験機。ロードセル、上部治具アセンブリ、下部Universal Vial Fixture、Bluehill Universalタッチスクリーンソフトウェアインターフェース、68SC試験フレームを示す5つの番号付きコールアウト付き。 | Instron

残留シール力試験のシステム構成例

  1. 2580シリーズロードセル
  2. 上部バイアル治具(固定サイズ):バイアルキャップ寸法に適合
  3. Universal Vial Fixture(カタログ番号CP140386)
  4. タッチスクリーン・ダッシュボード搭載 Bluehill Universal ソフトウェア
  5. 6800シリーズ 単柱 卓上型 万能試験機

より高いスループットと効率を実現する残留シール力試験装置

汎用バイアル治具

Universal Vial Fixtureは、複数サイズのバイアルに対して残留シール力試験を実施するラボに適しています。調整可能な設計により、同一治具で異なるバイアル形状(フォーマット)を試験でき、バイアルサイズを切り替える際の治具交換の必要性を低減します。本治具には自動センタリング機能が組み込まれており、加える圧縮荷重に対してバイアルが常に一定の位置に配置されることを保証します。このセンタリングアライメントにより、効率的な試験ワークフローを支援し、異なるバイアルサイズ間でも再現性の高い残留シール力測定が可能になります。

AT2自動XYステージ

AT2 Automated XY Stageは、プログラムされたBluehill® Universalの試験シーケンスに従って試験片を自動位置決めすることで、複数バイアルの残留シール力試験をバッチで実施できます。オペレーターは試験片トレイをセットして試験を開始し、その後は無人で運転できるため、試験の進行中に他のラボ作業に時間を充てられます。この自動位置決めにより、試験片の配置が一貫し、複数サンプルにわたって再現性の高い残留シール力測定を支援します。

自動化カルーセル試験システム

Automated Carousel Testing Systemは、コンパクトな卓上構成で医療用バイアルの残留シール力試験を自動化するよう設計されています。バイアルをカルーセルに装填すると、手動での再配置なしに順次試験され、手法を開始すれば自動で試験が実行されます。小さな設置面積により、限られたスペースの環境を含め、標準的なラボベンチに自動化を追加できます。ステンレス製カバーと拭き取り可能な表面により、バイオメディカルおよび規制下のラボ環境での使用を支援します。

テストのヒントとコツ

  • 残留シール力試験におけるばらつきの低減は、制御が難しい場合があります。エラストマー製バイアルシールは短期的に緩和し、長期的には経時変化するため、試験中のばらつきを最小化するには、サンプル内のすべての試験片が概ね同じ時刻にキャッピングされていることを確認することが重要です。
  • 再現性の高い結果を得るにはアライメントが重要です。偏心荷重は試験間のばらつきを大きく増加させる可能性があるため、治具は、バイアルとプラテン表面の同心度をオペレーターが維持できるよう支援する必要があります。
  • バイアルキャップに圧縮荷重を加えると、RSF点を超えて、かしめキャップがバイアル頭部から分離する箇所で、曲線に明確な変曲点が現れます。
  • 詳細は、ドラッグデリバリーデバイスおよび容器試験セクションをご覧ください。
残留シール力の試験曲線例 | Instron
RSF試験曲線の例 — 変曲点は青い点で示されています。

よくある質問 (FAQ)

残留シール力はどのように測定しますか?

残留シール力は、上部試験治具がかしめたアルミキャップに加える圧縮荷重が、密封されたバイアルとゴム栓によって上向きに作用する内部圧力と一致し、それを上回る点として測定されます。

著者について

ランドン・ゴールドファーブ

Landon GoldfarbはInstronのリード・プロダクト・マネージャーで、静的試験のプロダクトマネジメントチームを統括しています。顧客およびエンジニアリングと緊密に連携し、Instronの静的試験ポートフォリオ全体にわたって、顧客の声に基づくイノベーションを推進しています。高度に規制された業界における深い専門性を背景に、Landonとそのチームは、一般的な品質管理から高度な研究開発(R&D)まで、幅広い市場の組織と協働し、世界中の製薬および医療機器顧客に対して特に豊富な知見と経験を提供しています。

業界で信頼される発信者として、規格策定に貢献するとともに、技術出版物や学会発表を通じて実践的な知見を共有し、ベストプラクティスを提唱しながら、医療機器試験の科学をグローバルに前進させています。